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Call My Name 5

それから1か月の間、年末年始の忙しさに呑まれて
僕らは慌ただしく冬休みを過ごした。


Call My Name 5




休みが開けると少しの授業のあとテスト期間がやってくる。
今まで全然聞いていなかった分のツケを取り戻すべくノートを借りに走り回る日々だ。
僕と彼女は大学が違うから、会う時間も減ってしまい
お互いに忙しい日々を送っていた。

テスト期間をなんとか終えて彼女に久しぶりに会うと元気そうで
大きな変化はないようだった。
ただ、食べ物の好みと服装の好みはなぜか劇的に変わっていたが
「なんだろうね、これが大人になるってことか?!」
と彼女はそれを茶化して笑っていた。

気にしすぎはよくないよ、と言っていた彼女の母親の言葉もあって
僕はあまり彼女に調子を尋ねなかった。
その日はテストがどうだったとか勉強時間が足りなかっただとかいう話をして
一緒にご飯を食べ、彼女の最寄り駅まで彼女を送ったあと僕は帰途についた。

家に帰ったよ、と彼女に電話をすると彼女の様子がなんだか変だった。
「あ、うん、そうなんだ、分かった。」
なぜかよそよそしい返事である。
「どうしたの、遥。」
「いや、なんでもないんだけど、優一くん、今日ご飯、おいしかったよね?」
「うん、美味しかったよ。って何言ってんのいつも行く居酒屋…」

僕はそこで言葉を失くした。
遥は、僕と食事したことを忘れてしまったのだろうか。

「遥、今日テスト終わりで寝不足でしょ?
 早く寝ないとお肌荒れますよ。」
「あはは、大丈夫だいじょうぶ。
 この電話終わったら寝るから…」

わざと話題を変えたのを悟られてしまっただろうか。
彼女の語尾がさみしそうに消えていく。

「ねえ、優一くん…
 もし私が何もかも忘れても、私のそばにいてくれる?」

スピーカーから切なく、か細い声が聞こえた。

「そばにいるよ。離れる理由なんかない。
 ていうか心配しなくても遥は何も忘れないよ。」

そう笑った僕の声に、彼女は小さく笑っていた。
ただの気にしすぎだよ、きっと。
何もかも忘れるなんてそんなこと、ありえないよ。
そう伝えたかったが僕はなぜか言葉にすることが出来なかった。


あれから数カ月、僕の言葉は彼女を絶望の淵に追いやっただろうか。
あのとき言えなかったのは僕が…
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  1. 2010/03/06(土) 01:13:34|
  2. thinking of ,,,|
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  1. 2013/02/04(月) 15:11:49 |
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