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Call my name

変わらないその顔で、その声で
ねえ、僕の名前を呼んでよ。

Call my Name 1


僕と彼女が出会ったのは梅がちらほらと咲き始めた
冬の終わりのことである。


だんだんと張りつめたような寒さが薄れ始め
日差しの暖かさを感じるようになった2月の終わり。
友達の友達と、改札口で紹介された彼女は
ただつまらなさそうに街ゆく人たちをを静観していた。

黒いライダースジャケットに、襟ぐりがあいた黒いニット、
黒いミニスカートにエンジニアブーツという出で立ちの彼女は
大量の人が行きかう改札口でも一際、浮いていた。
絶世の美女というわけではないけど、まあまあキレイな顔である。
髪は半分が金髪で半分が茶色のロングヘアーである。
前髪は一直線に整えられ、残りの髪もまっすぐに下へ落ちていた。

「偶然肩がぶつかっても、よく見て見ぬふりをされるよ。」
彼女が当時、僕に語った言葉にこういうものがあった。
まったくその言葉どうりの人間を想像すれば彼女である。
近付くな、彼女の背負うオーラがそう言っていた。

「はじめまして、松島 優一です。」
そう言って軽く会釈すると彼女は軽く頭を下げた。
「はじめまして。」
そっけなくそう言うとまた静観の姿勢に戻ってしまう。
見かねた友人の1人が「山本 遥ちゃんっていうの」と
フォローの手を差し伸べた。
その場にいたのは僕の友人4人と、初対面の山本遥である。
一緒の大学に進学した4人が同じ大学の彼女を連れてきたのだ。
きっと、無理やり連れてきたのだろう。
彼女は全く乗り気ではなさそうだった。
「遥、人見知りなの! 気にしないで!」
フワフワの髪を揺らして友人の1人が言った。
「あ、うん。大丈夫。」
僕は何て返していいか分からずとりあえずそう答えた。

それからボウリングに行って居酒屋にも行ったが
あまり彼女とは打ち解けられず彼女との初対面は
あっけなく終わってしまった。

それから何度か顔を合わせるうちに、彼女のバリアは解除されていき
僕らは次第に仲良くなった。
別に何か共通点があるわけではなかったが、ただ気があった。
夏の終わりにはどちらからともなく付き合うことになっていた。

僕と彼女が付き合い始めてもう何年になるだろうか。
いろいろなことがありすぎてもう何十年もの時を
一緒に過ごしたような錯覚に陥る。
でも実際僕らが一緒に過ごした期間は1年半という短さだった。

僕らが初めての大きな事件を迎えたのは今から1年前の冬である。
初雪が降るかもしれませんよ、とニュースキャスターが伝えた12月の終わり
僕らは初めて出会ったあの改札口で、いつものように待ち合わせをしていた。
待ち合わせの時間は11時半。いつもこの時間に会って
一緒に昼食を取ってからウィンドウショッピングをするのだ。

僕は待ち合わせの10分前に改札口に着き、彼女の到着を待った。
なんで10分前かというと、彼女がいつも5分前に現れるからだ。
しかしその日、彼女は待っても待っても現れなかった。

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  1. 2010/02/26(金) 00:48:21|
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