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愛憎バイオレンス

頬を叩いた。
髪を引っ張った。
私は君を突き飛ばした。


『 愛憎バイオレンス 』



私は人を傷付ける事でしか、愛情表現というものが、出来ないよ。





サディストなのかもしれないね。
もしかしたら、私は、氣が、狂っているのかもしれない。



私には、大切な人がいた。長い時間を、一緒に過ごしてきた。
やっぱり私は人を傷付ける事でしか、愛せないから
君は、いつも傷だらけだったね。

頬には常に引っ掻き傷。
腕や、上半身、足には打撲の後。背中には切り傷。
大事には至らないくらいの、些細な、でも、無数の傷が君にはあった。
数えたくても、きっと数えられなかっただろうね。
数えているうちに、きっとまた、私は傷を増やしてしまうから。


君が、泣いて喚いて、土下座して、哀願して崩れるまで
いつも、私は君を甚振ったね。
無心に、叩いて、殴って、蹴って、切り付けた。


君は、いつも、呻きながら、反撃もせずに、私の「攻撃」を受け止めていたね。
今思えば、君は、私に攻撃されている時、私の方を見ることがなかった。

いつも、何か、罪悪感にでも囚われている様な表情で
俯いたまま、顔を上げなかったね。



それがお互いの、愛情交換だったね。
私は傷を作ることで、愛を送り、
君は傷を作られることで、愛を受け取った。

お互い、そんな愛情表現しか、持ち合わせてなかった。
そうすることでしか、愛せなかったから。




春の日差しが暖かかった日。
急に君は、もう、終わりにして下さい、と言ったね。
私はすぐさま逆上して、いつものように、君を殴った。

何でそんなに悲しい事言うの?

君に何度も尋ねた。君はごめん、ごめんと謝るばかりだったね。
君に謝られるような事は、何も見当たらなかった。
この時、私は、君がいつもとは様子が違うことに、気付くべきだったんだね。


何度殴っても、何度蹴っても、君は私から目を逸らさなかった。


君は解ってしまったのかもしれないね。
暴力が生むのは、所詮、憎悪でしかないことに。
私たちが生んでいるのは、決して、愛情なんかじゃないことに。


頭ではちゃんと状況を理解出来ていたんだ。
だけど、心は言うことを聞いてくれなかった。


君が好き、好きなのに。


そう思えば思うほど、私の攻撃は激しくなって、
散々、殴る蹴るした後に、
私は、自宅のある八階のベランダから、君を、突き飛ばした。

君の体はゴム人形みたいに、柵のところでぐにゃって曲がって
半回転しながら、落ちていった。
何階か下のベランダの柵に、またぶつかって、またぐにゃりと曲がって
最後には鈍い音を立てて、コンクリート敷きの、道路に落ちたね。
右ひざと右肘が、可笑しな方向に曲がっていたよ。
見ていて、可笑しくなって、ベランダにへたり込んで、声を出して笑ってしまったよ。



それから、君の最後の言葉を思い出した。


君に不幸になんて、なって欲しくない


最後の最後まで、君は馬鹿で、いい人で、温かかった。



結局私は、ここに閉じ込められて、幸せになんて、なれなかったのだけれどね。
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  1. 1988/01/10(日) 09:48:45|
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